松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル

「消費税増税に反対」の意見書を国に上げて!の請願

2005年6月27日

議会では、不採択に・・・!

今日の6月議会最終日で、今議会に提出された「消費税の大増税に反対する請願」は、平塚クラブ・公明党・平塚なでしこ21・神奈川ネットワーク運動の反対多数で不採択となりました。

いま、配偶者特別控除・所得控除などの廃止・縮小の上、定率減税の廃止・縮小など次々と改悪される税負担。そんな中、なんとしてもこれ以上の消費税の増税はとめて欲しいという市民の切実な願いである請願が、平塚市議会として不採択とされたことに憤りを禁じえません。

最終日の今日、採択すべきとの立場で私は日本共産党市議団を代表し、討論を行ないました。

討論内容は、以下のとおりです

日本共産党平塚市議会議員団を代表し、ただいま議題になりました請願第9号の委員長報告「不採択」に反対し、採択すべきとの立場から討論をします。

議案第9号「消費税の大増税に反対する請願」は、消費税廃止平塚地域各界連絡会や追分共栄会など市内の10団体から出された請願です。この請願は、一般市民の生活実態からやむにやまれぬ思いで出された請願であると私たち日本共産党平塚市議会議員団は深く受け止めています。

この消費税は1988年4月、「高齢化の進展による負担の増大など今後の経済・社会の変ぼう(中略)等に十分に対応しうるため」だとされ1989年から導入された「福祉」を理由にした庶民増税でした。

さらに、消費税が5%に増税されたときも、「社会保障のため」だと宣伝されました。

しかし、消費税ができて16年、社会保障はよくなるどころか、改悪の連続だったことは皆さんもご存知のとおりです。それは、この間の消費税収が148兆円もあったのに、同じ時期に法人3税(法人税・法人住民税・法人事業税)は、大企業への減税や不況の結果145兆円も減り、消費税は社会保障の財源になるどころか、法人税などの減収の穴埋めで消えてしまったのです。

日本経団連や経済同友会は、消費税を段階的に18%とか19%に引き上げるという構想を相次いで打ち出し、「遅くとも2007年度までには10%とすべき」(日本経団連)などとしています。そして、消費税増税とあわせて、さらなる「法人税率の引き下げ」や「年金など社会保険料の企業負担の廃止」をもとめています。

現に89年当時40%だった大企業の基本税率は、現在30%にも下がりました。いま財界などが消費税増税を主張しているのは、社会保障をよくするためではなく、大企業の税金や保険料の負担を軽くするためであり、消費税を増税しても社会保障は決してよくなりません。

ヨーロッパの消費税と日本ではどこが違うのか

よく比較されるヨーロッパの消費税(付加価値税)の税率は確かに20%前後です。しかし非課税品目や軽減税率品目もあり、税率の高さほど国民からの税収が多いわけではありません。そしてヨーロッパでは、社会保障に使う税金は公共事業に使う税金よりはるかに多いのが当たり前です。

ところが日本は、社会保障への公費負担は、ドイツ、フランス、イギリスの2分の1から3分の1にすぎず、一方で、公共事業にはGDP(国内総生産)比でフランスの1・5倍、ドイツの3倍、イギリスの4倍にもなっていることでもわかるように、消費税で取られても社会保障として戻ってくるヨーロッパの政治のやり方と日本のように社会保障より大企業のもうけに税金が使われてしまうやり方を同じに考えて、税率だけヨーロッパの真似をしたら、国民にとってとんでもない大増税になってしまいます。

低所得者ほど負担が重くなっているのが消費税

総務省の「2003年度家計調査年報」の全世帯調査でも、年収900万円から1250万円未満の人は収入から見た消費税の割合は2%であるのに対し、年収350万円から450万円未満では3%、年収250万円未満の人は4.2%と、低所得者ほど負担が重くなっている実態が報告されています。

消費税の増税は、庶民のくらし、中小零細事業者の営業を直撃し、景気を悪化させます。そうなれば国民の所得はますます落ち込み、社会保険料の収入も減り、年金や医療保険の財政がますます苦しくなるという悪循環におちいり、社会保障はよくなるどころか、ますますひどくなるだけです。

消費税増税に頼らなくても、社会保障の充実は可能

消費税増税に頼らなくても、税金の使い方や集め方を変えれば、社会保障を充実させていくことは充分可能です。

それは、欧米と比べても異常なほどの無駄な大型公共事業費の見直し。需要が増える見込みもない関西国際空港に、さらに二本目の滑走路をつくる計画や米国に次ぐ5兆円もの軍事費。

イラク派兵にも648億円もの税金がつぎ込まれました。在日米軍にたいする「思いやり予算」は、2378億円にもなっています。消費税導入以降、法人税率引き下げによる大企業への減税効果は年間で約2兆5000億円にのぼり、所得税の最高税率引き下げなど、高額所得者への減税も行われてきました。

空前の利益をあげる大企業や高額所得者に応分の負担を求めれば、国、地方あわせて約八兆円の財源を計画的に確保することができるのです。

消費税は、「所得の多いものは多く、少ないものは少なく」、「生きていくために必要な生計費には税をかけない」という近代的な税の大原則に反する最悪の不公平税制です。しかも、大企業は1円も負担していません。

社会保障は国民のくらしを支える制度であり、その財源のためだといって、立場の弱い人に重くのしかかる消費税の増税をもちだすのは本末転倒です。

平塚市民は、消費税による負担は他の自治体より重い

平塚市は神奈川県内でも所得水準が低く、消費税による負担は他の自治体より重くなっている状況を認識し、市民にさらなる消費税の増税は許さないという立場から議会として「消費税増税に反対」の意見書を国に上げるべきと考えます。

よって請願第9号の委員長報告「不採択」に反対し、今請願に賛成の討論といたします。


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