松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル

「さわやか条例」と野良猫

2006年3月27日

060327-1

昨年の初夏、我が家周辺に茶トラの猫が出入りするようになりました。我が家には猫が3匹いて、外の景色が見られるように障子戸には2箇所貼らない場所を作っています。

そこから野良の猫が「いいなぁ、食べるものに不自由しなくて・・・。」とでも言うようによくのぞくようになり、家の猫に鋭くうなられていました。

ある日、我が家の前でその猫がよろよろと、前足を出すごとにすべるようにへたるのです。「猫いらず」でも飲まされたのか、それとも病気か・・・?

家の前で倒れられては知らん顔もできません。病院に連れて行き、3日間薬を飲ませるようにと薬をいただいて帰ってきました。

薬を飲ませるには餌をやるしかありません。ご近所もこの猫騒動は知っているので、餌をやるからには責任を持たねばなりません。「我が家で飼うの・・・?」みたいな割に合わない気分でしたが、関わってしまったからにはしょうがない。

ご近所には訳を話して飼う事にしたので何かあったら言ってくださいねとお願いして、一応公認の形でめんどうをみることになりました。

夫も早速 猫用に犬の家をどこからか調達して来ました。立派な家をもらった猫は数日で元気になりましたが、元気になればまた新たな心配が・・・。

この猫、オスなのです。警戒する猫をようやくケースに入れて去勢手術に連れて行きました。これで正真証明我が家の猫。

しかし、何歳かわからない猫、しかも今まで野良で生きてきたものを家に入れるのは、家猫とのトラブル、ストレスを考えるととても無理。気候もいい時期だったので、外の家に住まわせ、徐々に寒さが身にしみる季節になったら、猫の家にホカロンを入れてやって敷物も厚く敷いてやりました。

しかし、気になっていた通り、近所にご迷惑を掛けていたのです。それを言ってくれたことが本当に嬉しいと思いました。「さわやかで清潔なまちづくり条例」なるものもできるし、飼うからには家に入れるしかない。

すっかり慣れてきた野良は、家に入れるには簡単でした。しかし、家には3匹のめす猫が・・・。「フーッ!」「フガーッ!!」総攻撃の中、オスとはいってもまったく威厳などありません。

隅にちぢこまり、ただただ「出して!出して!」と叫ぶばかり。障子は見る影もなく、あっという間に全滅。あばら家と化した我が家、当分張り替えは無理と観念し、雨戸で隠しました。

今度はカーテンによじ登り、カーテンの金具を次々壊してズタズタに・・・。

その無残にたれたカーテンの隙間から見える空に向って「出して!出して!」と夜も昼も泣き叫ぶばかり。

もう、我が家はめちゃくちゃ。「さわやか条例」なんかくそ食らえ。この年まで野良できたら、野良で生きるしかないじゃないか。動物愛護って何を持って愛護なのか!現実をわかっていて外で飼うなといっているのかと、腹立たしい限りですが、ご近所の花壇をほじくったり、車の上に乗ったりと迷惑も数々。

ボランティアで野良猫の避妊をしながら、その猫の一生を見てくれている団体の方々は、実態を知らないこの条例の内容に戸惑い、憤っています。

こんな条例ができてしまったら、これからは野良猫が病気になっていても、見ない振りしていたほうが利口だということです。

今、我が家の野良は、大型犬用のオリを買って来て、その中にトイレ・餌場所・高めのいすに座布団を貼り付けた寝る場所をしつらえて飼っています。

外で思いっきり走って遊んだ頃のことを懐かしく思い出し、泣きながら「戻りたいよう!」と叫んでいるに違いありません。


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