松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル

神奈川県母親大会に参加

2006年7月2日

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第51回目の神奈川県母親大会が、横須賀市文化会館で開かれました。私はそこで、映画「にがい涙の大地から」を見て、この映画を作成した「海南友子(かなともこ)さん」の講演を聞いてきました。

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海南さんは34歳という若さ。数年前、友達と中国に旅行した際、ある食堂に入り、あまりにも暗い女性店員に出会います。非常に感じが悪く、話しかけても応対が悪い。悔しくてもっと話してみたそうです。そこで、27歳のその女性から旧日本兵の砲弾で父を亡くしたことを聞かされたのです。

日本は当時15年間、中国に侵略していた・・・。その当時のことを語る人は皆高齢者のはず。しかし、戦争から60年もたった今、この自分より若い女性が、かつて日本が行った戦争の被害者であることに衝撃を受け、その女性(リウ・ミン)の家に行って詳しく話しを聞きました。

当時、日本兵は敗戦間近、証拠隠滅のために様々なものを土の中に埋めて日本(本土)に帰ってきました。5メートル以上掘って埋めるよう指示があっても守られなかったという証言もあり、穴を掘ることすらせずに、井戸に埋めたものもあったのです。

中国では、日本兵がかつて埋めたそれら砲弾や毒ガス・液体により、今になってもまだ、命を落としたり、苦しみ、人生を台無しにされている人があとを立ちません。

日本の人は「中国人はいつまでも昔のことを言いすぎる」とよく口にします。しかし、今なお中国では旧日本軍による被害を受けているということ、そして今、中国は開発が進み、土地を掘りおこすことが多くなり、近年特に被害者が多く出ていることを私たちは知らずに(知らされずに!)いたのです。

1996年、リウ・ミンはじめ10代から70代の被害者18人が、日本を相手取り裁判を起こしていました。海南さんは、元NHKの報道ディレクターだったこともあり、多くの人たちに知らせようと、フィルムに納めたのがこのドキュメンタリー映画「にがい涙の大地から」だったのです。

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毒ガスを吸い込んで、毎日襲う喘息とタンに苦しむ人、体中のいたるところに砲弾のかけらが入り込み、取り除く医療費もなく、時々襲う痙攣の発作で意識もなくなるため、弟が結婚せずに面倒を見ているという人、液体がかかったところがはれ上がり、身体が蝕まれていく少女、父を治療の甲斐なく失い、母は夫の入院費の借金と家庭を切り盛りするために無理をして病気になり、今度一家を支えるために働く娘のリウ・ミン・・・、被害者は働けず、家族は病院の費用に苦しみ、どの被害者の家も悲惨です。

日本はかつて、大量破壊兵器である毒ガスを作っていました。大きいところでは大久野島、そのほかには平塚・寒川。世界で禁止されていた毒薬を作っていたために、大久野島は当時、地図からも消されていたのです。

海南さんは言います。「戦争を始めたら、必ず被害にあうのは一般の人。戦争を始める者は、温かい部屋でおいしいものを食べながら、戦争について語っていられる」。

戦後60年たち、作りはじめて100年近くたっても被害をもたらすのが戦争であり、兵器であると。

今、日本の政府は恐ろしい法案を次々と出し、ほぼ出揃ってきた。しかし、一般の人々は危険だと感じながら「危ない」と口にできないまま過ぎようとしている。今 日本は、言ったら殺される、ねらわれるということはない国。「それなのになぜ、言わないのか!」と言います。

「ああ、こうして戦争が進んでいくんだな・・・」と思う、と・・。

攻められないためにといって、アメリカに何千億円もかけるより、私たちは攻められないために何をすべきかを考えるべき。そんなお金があったら、日本が埋めてきた遺棄兵器の処理に使ってほしい!

いやなことに耳をふさぎ、報道も小さく扱うが、日本は戦争で何をしてきたのか、その後どういう態度をとってきたのかをはっきりさせるべきだと。

日本の発展は、アメリカが守ってくれたからではない。「憲法9条」が「絶対戦争はしません」といっているから、外国も日本を受け入れてくれたんだという事を忘れてはいけないと、真剣に参加者に訴えました。

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若い海南さんの訴えが、さらに多くの若者の心を捉え、日本の進むべき道はどれなのかをみんなで真剣に考えてもらいたいと切に思いました。自分たちが受け継ぐ日本を戦争のない国として受け継がれるよう、今こそ多くの人々の頑張りが必要です。私たち母親も、子供たち・孫たちに「平和」な社会を残すため、最後のひと踏ん張り!


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