松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル

精神疾患による累犯

2010年10月24日

いま私は、精神に障がいがあるために家を飛び出してしまい、空腹の中で「万引き」をしてしまう、「不審者」として通報されるなど、何度も警察のお世話になって「累犯」により刑が重くなっていくケースに直面しています。

30年程前には「軽度発達障がい」への認知は一般的ではなく、親も学校側も心配しながらも病院で「障がい」の認定を受けられないまま成人したケースも多いようです。障害者手帳がないために、制度は使えず、長期にわたって家族が犠牲になっている実態は本当に悲惨です。

先日もその人は、普通に考えたら「何でこんなものを?」というような品を店で万引きして累犯で留置されてしまいました。家にじっとしていることが出来ないその人は、とっさに飛び出し、数十日間帰ってこないうちに、こうして警察に捕まってしまうのです。

そのたびに奔走する親の思いは、想像を絶します。父親は子どもが飛び出すたびに母親を助手席に乗せて夜中中探し回ったそうです。探して見つかった例はない。それでも探すしかないのです。日中の仕事も、外を回る仕事に切り替えてもらい、仕事の合間にも探し回る毎日が続き、繰り返す中でとうとう身体を壊して亡くなられました。

 昨年は、ご家族とある市の検察庁に行って、実情を話し合ってきましたが、実刑となりました。先日も留置され、今後の方向性を見出したくて、ご家族とある市の検察庁や警察署に行き、「この先を福祉と結び付けてほしい」と切にお願いしました。

 ご家族は入院させて実態を知ってもらい障害認定を得たいと思っても、飛び出しては数十日帰ってこない状態を繰り返しているため、1度は診察を受けても次の予約が出来ず、「入院が必要」とまで至りません。だからこそ、警察から直接病院や福祉に結び付けないとなかなか解決しないのです。

同じ県の業務であるなら、警察に捕まったときに、保健福祉事務所などと連携をとってもらい、これ以上犯罪に係わらない方向性を築いてもらわない限り、障害者と認定されないこの人を守ることが出来ません。しかし、その壁は厚く、警察署は起こった犯罪について調査し、処理していくところで、その人の今後の対応は範ちゅう外だというのです。どこかで制度と繋がらないと、この人を守ることが出来ない・・!

そんな中で、先日18に行われた長崎地裁での判決は、とても勇気付けられました。

毎日新聞に記載されていたその内容は、「自動車運転過失傷害罪などに問われた、精神疾患がある30代男性被告の初公判が18日に長崎地裁であり、社会福祉法人や精神科医らでつくる第三者の「判定委員会」が、福祉施設への入所を条件に刑の執行猶予を求める判定書(意見書)を地裁に提出、採用された。」というものでした。

「私が探していたのは、まさにこれなんだ!」と思うと同時に、まだ著に付いたばかりという気の遠くなる感も持ちました。

今回私が係わっている人は、本人も障害認定を受けることを強く望んでいるにも拘らず、継続して医師の診断を受けられない。自分の意志とは別な行動をとってしまうことにとても苦しんでいます。

「こんな生活を早くやめて、ゆったりとした生活をしたい」この当たり前の日常を、早く見つけてあげたい。

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鈴川の下流で


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