松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
議会の取り組み

3月議会の報告 その1

2008年3月19日

2月18日から始まった3月議会は、3月17日で閉会となりました。今回の議会では、新年度予算に係る審議。大蔵市政にとって新年度予算は2期目の最初の通年予算であり、新年度に向けた市長の政治姿勢を問うものとなりました。

普段は、1人に対し11分という質問時間が決められています。私たち共産党議員団は今回2人になったため、22分の質問です。しかし、3月だけは予算議会ということで1人に対し15分。というわけで今回私は30分の質問をしました。

質問の内容は、部分的にお知らせして来ましたが、今回は全体を掲載いたします。

1.平成20年度市政方針から

大藏市長は市政方針の中で、「本市の財政状況は、歳入の根幹である市税収入の増加が見込まれるものの、法人市民税は企業の業績に左右されるものであることから、依然として予断は許さない状況である」としています。

新年度予算では、個人市民税は0.2%増、法人市民税は26.7%増を見込んでいます。今3月議会に上程された平成19年度補正予算でも、法人市民税が17億円新たに追加され当初予算の40%増となりました。企業の税収は伸びている一方、個人市民税のわずかな増は、平塚市民の所得が9年連続減少している中での2年連続の大増税であり、税制改正と定率減税の撤廃により厳しい中から絞られた血税であると言っても過言ではありません。

中小業者の倒産は相次ぎ、平塚市の「商業統計調査結果報告」でも示しているように、飲食店を除いた卸し・小売業者の数だけ見ても、平成11年に3,038事業所あったものが、平成16年の調査では2,636事業所と、400店舗も減っています。

また、今年は、世界経済に悪影響を与えている投機マネーによって原油価格の高騰は異常です。農業者にとって冬の間、野菜や花木の生育には重油は欠かせません。ところが重油は平成16年にはリッター当たり31円だったものが、今年1月には80円と2.4倍にもなり、作物を作れば作るほど赤字になるからと、花やキューリの栽培をこの冬はやめている農家も出ています。市場を確保するために細々と出荷している園芸農家では、売り上げは重油代で消え、パートさんの賃金も消毒代・肥料代も持ち出し。まして、家族は全くのただ働きです。「農家がどんなに苦しくても、国は何もしてはくれない。いい仕事があればいつでもやめたい」と、ある中堅農業者がこぼしていました。

中小業者、低所得者層にとって、最近の諸物価の高騰でさらに厳しい生活を強いられています。こうした市民生活を踏まえ質問をしていきます。

(1)「平塚市総合計画 生活快適・夢プラン」について

平成20年度は総合計画の第1次実施計画に位置付けられた事業を年度計画に基づき確実に歩みを進め、まちの変化が形になって見える年になっていくとしています。

基本目標1

「よろこびにあふれるひと」では、幼稚園や小・中学校体育館の耐震診断や補強工事をはじめ、囲碁文化の更なる発展に向けた囲碁サミットの開催や単独給食を実施している小学校に強化磁器食器導入が始まり、学校司書の増員など子供たちをはじめ市民の方々が喜ぶ顔が思い描ける施策が盛り込まれていると評価しているところです。

基本目標2

「支え合うコミュニティ」では、「子育て、長寿を楽しみ、安心して生き生きと暮らせるまち」を目指しています。共産党議員団は行政による政策的・財政的バックアップと、事業者、地域住民の協働による支え合いとが一体となって福祉の向上が図られることが、住みやすい平塚を築く第一条件だと考えています。その点からも、基本目標2の部分は大変重要な部分ととらえています。

そこで何点かお伺いいたします。
「地域自治支援モデル事業」「地域コーディネーター養成事業」の展開とあります。地域力・市民力を発揮しやすい環境としてどのような方向をお考えなのか、お聞かせください。

 妊婦健診は出産までに13~15回受けることが望ましいといわれていますが、費用が実費のため、若い世帯にとって大きな負担感となっています。そのため、一度も妊婦健診を受けない「飛び込み出産」が増え、産婦人科から受け入れ拒否をされたり、胎児の異常に気付かないケースも出て、国は少なくとも5 回は公費で負担するよう自治体に通達を出していました。市民からも「妊婦健診」の補助回数を増やしてほしいという要望があり、実現できたことを評価しております。新年度から新保健センターが開設し、妊婦歯科検診もモデル事業として始まろうとしています。これらについて今後の方向性をお聞かせください。

 また、メタボリックシンドロームに着目した特定健診が実施されることになりました。それにより今まで行われてきた基本健康診査は廃止されますが、メタボリックシンドローム中心の検診と保健指導で市民の健康維持は大丈夫なのか、地域保健・健康づくり事業はどういう内容になるのかお聞かせください。なお、今までのガン検診は今後どのように変わるのかお聞かせください。

基本目標3

「やすらげる環境」では「地球温暖化対策強化週間」を設定し、「ひらつか地球温暖化対策フォーラム」を開催するとしています。いま、地球温暖化対策は喫緊の課題であり、平塚市は次期環境事業センター建設を目前にして、いかに燃やさないか、いかにCO2を削減するかは重要なテーマとなります。

昨年11月に上勝町町長をお呼びしての「パネル討論会・究極のごみゼロ社会を目指して」は、まさに産・学・公と市民が協働で取り組む機運がみなぎっておりました。あの小さな町でありながら、燃やさない、CO2削減に向けた大きな決意と取り組みに対し、市長はどのような感想を持たれたかお聞かせください。実施計画では「地球温暖化対策推進事業」は今年度から3年間で取り組むとなっていますが、今年度取り組んだ内容、新年度取り組む事業についてお聞かせください。また平塚市のCO2の現状、今後の削減目標をお聞かせください。

基本目標4

「地力を伸ばす産業」についてです。
「花と緑のふれあい拠点(仮称)」が22年3月開園を予定しています。この事業を、平塚市の農業振興にどう展開させるのかいよいよ具体的にしていく年度となります。現在農業者が具体的に何を担っていくのか、どういう展開を描いているのかをお伺いいたします。

いま、日本の食糧問題は、放置できない状況まで来ています。その上栽培が難しく日本でしか作れないと考えられていた「コシヒカリ」が世界各国で作られています。

 グローバル化が進む中、日本の食糧自給率は、世界的な凶作が起きたときに危険な数値とされる40%を切って、現在39%まで落ちてしまっています。平塚の米を運搬する業者が、「最近日本産に交じって中国産の「こしひかり」を運ぶことが度々ある。米を運ぶのが自分の仕事だが、複雑な思いだ。精米されたコメは全く日本の米と区別はつかない。誰も外国の米を食べているなんて考えないよね。」と言っていました。私たちはいつまで日本産の米を食べられるのでしょうか。

 農水省の農業経営統計調査ではコメ作り農家の家族労働報酬(2006年)は一日当たり2,046円、時給換算でわずか256円にすぎません。 この異常事態に対し、日本共産党は (1)農産物の価格保障と所得補償を組み合わせて、農家が安心して農業に打ち込める再生産を保障すること、(2)大多数の農家を切り捨てる「品目横断対策」を中止し、家族経営を応援し、農業を続けたい人、やりたい人すべてを応援すること、(3)無制限な輸入自由化を中止し、各国が食料・農業政策を自主的に決定する権利を保障する貿易ルールづくりを進めること、この3つを提案しています。

 「花と緑のふれあい拠点(仮称)」は、平塚市にとって農業振興が大きな目的です。政府に対し、日本の将来に最も大切な農業を守るために平塚市長として声を上げていくこと、そして、生産者がやりがいが持てるようなきめ細かい行政の支援が必要と考えますが、ご見解をお聞かせください。

今後、この地域一帯を平塚市の農業振興の核という位置づけでやっていくわけですから、どうか、この地元平塚から離農する人を一人も出さないという強い意気込みで事業を進めていただきたいと思います。ご見解をお伺いします。

基本目標5

「安全・快適なまち」では、北口駅前広場のバリアフリー化が実現するということで、市民の方々も大変関心を持ってみています。長い間の念願がかなう時が来ました。これからも、市民の方々の声を真摯に受け止めて進めていただきたいと切に要望いたします。

(2)「ひらつか協働経営プラン2008」について

新年度、財政健全化を引き続き維持し、新しい平塚のまちづくりを進めていくために、歳入に於いては、市税等の収納率向上や受益者負担の適正化などによる自主財源の確保に努めるとしています。

そこでお伺いいたします。
市税等の収納率向上についての方策をお聞かせください。また、受益者負担の適正化についての考え方をお聞かせください。

 「財政健全化プラン推進事業」では、平成20年度からの3年間で事務事業の効率化による行政運営経費削減、アウトソーシングによる歳出削減、未利用土地の有効活用などとして、65億8200万円の効果を見込んでいます。こうした自主財源の確保によって何を実施していくのでしょうか。また、この計画が予定通り実施できなかった場合、削るものは何かお聞かせください。

また、「指定管理者制度導入施設の外部評価制度導入事業」は、平成20年度から始めて22年度には100%の実施を見込んでいます。平塚市は指定管理者制度を導入し、2年が経過しました。市長はこの2年間をどのように評価されているのかお聞かせください。市民サービスの向上、今までと比べての前進面、経費削減の観点からお伺いいたします。また、苦情や問題点はあったのでしょうか。

平塚市行政改革大綱が昭和61年から始まり、平成19年までに取り組んだ行政改革の効果は約110億円になったと評価しています。平成17年度から19年度までの3カ年の取り組みであった「第5次行政改革」が打ち出したものは、5年間で100人の実職員数の削減、現業職員(清掃・土木作業員等職員)の採用ゼロ、庁内分権の推進を盛り込んだものでした。

しかし、こうして平塚市が進めてきた人件費削減策の中で、資格を持たない保育現場のパート労働者の時給は775円、調理師は免許があっても必要ないとして775円です。この金額は平成10年から変わっていません。そしてこれは平塚管内の事業所の求人の中でも最低ランクとなっています。有資格者の保育士でも、時給890円という低さです。どんなに賃金が安くても、園児の安全と、秘守義務を守ることは最大の責任です。これは、保育所内だけの問題でなく、市が雇うパート・臨時職員に共通している問題で、学校現場で喜ばれている司書の有資格者も890円。

各保育園では、欠員が出たら園長がその補充を一手に任され、安い賃金で人材を探すために四苦八苦しています。そして、臨時職員は一週間を2人で交互に出勤させられ、時間と日数を制限することで雇用保険や健康保険の対象外にされています。正規職員は日々変わる臨時職員への気配りで今まで以上に疲れるといいます。私たちは、市内企業に市内卒業の高校生をぜひ雇ってもらうよう市長からも働きかけていただきました。いま、非正規雇用の拡大が社会問題になっている時に、その大本の平塚市が行政改革の名で最低ランクの時給と保障で働かせている実態をどうお考えでしょうか。

(3)パブリックコメントについて

平塚市が行ってきたパブリックコメントについて、応募期間、意見を寄せた人数、意見件数など制度ができる前と後の結果をお聞かせください。
市長はパブリックコメントを実施して、どのように感じ、今後どう取り組んでいこうとされているのかお伺いいたします。

2.後期高齢者医療制度

4月から後期高齢者医療制度が始まろうとしています。75歳で線を引き、後期高齢者といって別枠にし、一人ひとりに保険料を課し、払えなければ保険証をとり上げる、病院に行けばご高齢だからと診療報酬単価を下げて差別するという、いまだかつてない高齢者に対する最悪の強硬策です。長生きしては罪のようなこの制度に対し、福祉の分野でありながら、国の施策でどんどん社会保障という位置づけが危うくされてきている感がぬぐえません。そこで、社会保障とは本来どうあるべきか、今の流れを市長はどう見ておられるのかお伺いしたいと思います。

後期高齢者医療で、神奈川県は全国一高い保険料負担となりました。東京都は、事務費や葬祭費、収納率による上乗せ分などを都と各自治体が補助することにより負担軽減を図り、全国一高いはずの保険料を引き下げました。12月議会で渡辺敏光議員がこの件で質問し、市はすでに、国・県に補助を求めていると回答されました。

広域連合の運営協議会に所属されておられる市長として、神奈川県が全国一高い保険料になった経緯、平塚市の実態とはかい離している保険料の設定についてどうお考えでしょうか。市長は国・県の補助は必要とお考えなのか、広域連合運営協議会ではこの保険料決定についてどのように発言をし、どのような回答があったのか、お聞かせください。

また、資格証の発行について、広域連合ではどのような要綱を作成したのかお聞きかせください。

3.市営住宅

公営住宅法施行令の一部改正で、公営住宅の制度・運営が大きく変わるといわれています。今後、平塚市が運営している市営住宅はこの改正によってどう変わるのかお聞きします。

  1. 家賃について
  2. 名義人が死亡した場合の承継入居(しょうけい・・)できるものの範囲について
  3. 入居の申し込み時に不動産などの資産の確認について
  4. 世帯人数に変化が出た場合の家賃の変更について

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金田公民館まつりの作品(07年)より


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