松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
議会の取り組み

平塚市営住宅について質問しました。

2017年3月24日

3月議会での私の質問は、「地域交通対策」と「就学援助制度」と「市営住宅について」でした。今回は市営住宅についてご報告します。

市営住宅の防火管理者について

【松本】 平塚市営住宅ストック総合活用計画(第2期)では、高齢者・障がい者等のニーズへの対応を図るため、住居水準の向上を図り、安心で安全な住環境の形成に努めるとしている。2013年4月現在で、市営住宅の高齢化率は38%、現在はさらに高まっていると推察される。

 そうした中、東中原市営住宅の避難経路は2階から5階までの住民はベランダの隣との壁面を破り各棟の端にある螺旋階段で避難するようになっている。しかし、1階はその螺旋階段があるために逃げ場を閉ざされている。ベランダのフェンスは高く高齢者の足は届かない。しかも1階とはいえ、土壌までの空間もあり、住民からはどうしたら安全に避難できるのかと不安の声が上がっている。市の考えを伺う。

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(市営住宅の1階のベランダからは螺旋階段に繋がっていない。)

【答弁】避難経路については、各住戸の玄関から階段を使って避難することが原則である。2階から5階については、ベランダ側からの避難経路として建物の両サイドに螺旋階段を設置している。1階の避難経路は、玄関から避難する考えである。

【松本】 建設されてすでに40数年たっている市営住宅で、長年住んでいる住民からいまさらなぜこんなことを聞かれたのか。避難訓練をしていれば、とっくに解決している問題である。 

 消防法によると市営住宅の管理権原者である市長は、火災や地震などから自らの共同住宅と住民を守るために防火管理者を定め、消防計画を作成させ、防火管理業務を行わなければならないとしている。防火管理業務とは、避難訓練、消防設備等の点検及び整備、火気取扱いの監督、避難または防火上必要な設備の維持管理などとされている。1,500戸近い市営住宅を管理する市の担当課、それを引き継いだ指定管理者は、これまで住民の避難訓練、防災に関する指導を行ってきたのか伺う。

【答弁】 共同住宅の場合は、非特定用途の防火対象物になり、この場合、消火訓練、避難訓練は、消防計画に定めた回数をすることになっている。東中原住宅の消防計画を防火管理者が位置付けている。その消防訓練の中には、入居者は地域で開催される消防訓練や地域指導会等に積極的に参加する、入居者は消火器を用いた消火訓練を積極的に行う、あるいは入居者は消防署等で実施する訓練にも積極的に参加するという記述になっている。これにしたがって、当然入居者には周知徹底はしている。それに基づいて実施している。過去に消火訓練を実施したことは聞いているが、ここ1、2年でやったというのはない話である。

【松本】 指定管理者は2014年4月28日付で消防本部に防火管理者の届と消防計画を出している。ところがこれまで市営住宅の防火管理者が東急コミュニティであることは、市民にも住民にも一切公表されていない。平塚市は防火管理者がやるべき避難訓練などについて、指定管理者とどういう契約になっていたのか、やらなくていいという指示だったのか伺う。

【答弁】 指定管理者の細かい契約については承知していない。消防計画を出しているので、消防計画に基づいて適切に入居者等への対応をするように指導していく。

【松本】 数カ所の市営住宅に聞いてみたが、どこも避難訓練はやっていないという返事だった。また、1階は1箇所しか避難場所はないと言ったが、最低2箇所の避難経路を確保しなければいけないとなっている。これすら住民に知らせていなかったということ、指導を怠ってきたことは、責任は大きいと言わざるを得ない。管理権原者、市長は市営住宅の住民に防火管理者が東急コミュニティであるということを周知し、防火管理者には消防計画に沿った適切な防火管理業務をしてもらう、これが大事であると思うが見解を伺う。

【答弁】 市と指定管理者との契約の中には、防火管理者としての業務を行うことという取り決めがある。当然それにしたがって、防火管理者が入居者に対して行うべきものと考えるが、それがうまく取り組めてないという話であるので、しっかりと取り組むよう話をしたい。

風呂釜の設置状況

【松本】 市営住宅の風呂釜設置について、これまでにも何度か要望してきた。これまでは市は1戸1戸の風呂の状況を把握することは困難だとして、風呂釜は退去するときには廃棄処分させ、新たな入居者には新たに風呂を設置させるというやり方を続けてきた。2010年(平成22年)10月より、指定管理者が運営することになった。指定管理者には施設維持管理の豊富な実績やノウハウを生かした業務の実施及びサービスの提供を提案して市が選んだ事業者である。ストック総合活用計画に謳われている社会経済状況の変化に伴い、住宅困窮者への「住宅セーフティーネット機能の強化」がまさに求められている。生活が厳しいからこそ市営住宅に入居するのに、このような資源の無駄を自治体として続けることに非常に違和感を持っている。指定管理者にどこの管理人でもやっている賃貸業務をお願いし、入居者にも退去者にも優しい運営に切りかえるべきと考えるが、見解を伺う。

【答弁】 風呂釜のほか、給湯器などのガス器具の場合には、経年劣化などにより不完全燃焼事故が発生するケースも考えられ、安全性に対する問題が大きいこと、さらに器具を引き継いだ後に故障が発生した場合の費用負担等について課題があるため、原状復帰してもらっている。

【松本】 万田貝塚団地などでは最初から浴槽が完備されているが、長年のうちには、壊れたり修理したりと、結局一戸一戸の管理になっていると思うが、今どんな状況か。

【答弁】 平成7年度以降につくった出縄中谷戸、公所谷戸、万田貝塚等については、最初から住戸に風呂釜・浴槽を設置している。それ以前の建物については、浴室だけがあって、風呂釜・風呂桶がない住宅である。最初から市が整備をしたものについては、指定管理者の方でメンテナンスを行っている状況である。

【松本】 市が取り付けたガス釜は安心で、個人が付けたのは安心ではないという判断はおかしい。東急コミュニティは全国の11万戸以上の公営住宅を管理している専門業者である。平塚市営住宅の個別管理も十分できる事業者だと思っている。風呂釜設置を進めていくべきと考えるが、もう一度見解を伺う。

【答弁】 今までなかった所については、先ほど答弁したとおりいろいろな危険性がある。私物なので、どう引き継ぐかという問題もあるので、簡単に右から左にはいかない。いかに安全性を確保するかが一番大事なことある。さらには入居者の公平性もあるので、十分に検討しなければならない問題だと考える。

退去時の原状復帰

【松本】 元あったようにして退去する。平塚市営住宅では、これを「原状復帰」としている。平塚市は、原状復帰によって何を求めているのか。次の入居者にプラスになるものでも、廃棄して原状復帰を求めるものなのか伺う。洋間改修によって紙製のふすまがビニール製に変えられた住宅がある。退去の際、原状復帰のために指定されたビニール製のふすまに取り換えたら、紙製の2倍もする代金を支払ったと聞いた。ふすまをビニール製にする理由について伺う。

【答弁】 入居者が設置したエアコンや手摺りなどは、後に当該設備の故障、事故が発生した場合の管理責任や、その処分が必要になった際に、処分費の負担を、引き継いだ入居者に求められないことから、退去時には設置者により撤去してもらうこととしている。

 市では現在、ライフスタイルの変化への対応として、市営住宅ストック総合活用計画に基づき、各住戸の和室ひと部屋を洋間にする修繕を進めており、和風の襖は洋間に合わないため、襖を洋風のビニールクロスに張り替えている。なお、洋間改修により退去時には畳の表替えが不要になるため、原状復帰の入居者負担は軽減されることになる。

【松本】 退去を手伝った人からこんな声があった。「入居して8か月で退去することとなった。畳も襖も湯沸かし器も新品同様だった。介護サービスを利用していたので、一度も使用していない新品の風呂釜・風呂桶も全部処分するように言われ、撤去費用は総額17万円かかった。」というものだ。ビニール襖は消防法で決められているわけではないと聞いた。指定管理者と話し合って、白地を基調としていれば、ビニール製でも紙製でもいいという弾力性があってもいいと思うが見解を伺う。

【答弁】 先ほど答弁したとおり和室を洋間に変える取り組みは26年度からしている。その時に和風の紙の襖がフローリングには合わないので洋風に変えている。耐久性の問題、汚れにくさ、メンテナンス上のメリットも考えるとビニールクロスの方がいいということで使用している。

【松本】 現状復帰という言葉を忠実に遂行としようとするあまりに、市も指定管理者も住民もがんじがらめにされて、常識から逸脱した対応が行われていると感じる。例をあげると以前市営住宅の台所が古くなって水が漏れるから、新しいのを買って欲しいと言ったら、断られ、自分で買っていいのかと聞いたら、出るときにまた台所をセットし直してから出てくださいと言われた。今回の新品の風呂釜についても、さすがに1回も使っていない風呂桶に、指定管理者も「少し待ってください、聞いてみます」と言ったけれども、市は頑強に撤去するようにと指示を出した。それについて見解を伺う。

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(これがその時の写真)

【答弁】 一回目に答弁した見解であるが、他の自治体では、入居者が使っていた風呂釜をそのまま私物として、誰か他の方使いませんかと斡旋をして使ったという例はあった。その自治体をその後調べてみると、やはりその制度は非常に難しいことで、今はほとんどやっていない状況である。そういったことから、人が使っていたものを、それを公が安心・安全で使えるということを認めて、さらにそれを市民に使ってもらうのは、相当な制度設計が必要だと思う。今後市営住宅のストック総合活用計画の検討を進めていくことになるが、その中でも、このような案件については、検討課題としたいと考える。


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