松本とし子

まつもと 敏こ
日本共産党平塚市議会議員
活動ファイル • 議会の取り組み

国保、市が示した「モデルケース」でさえ4年間で5万7千円の値上げ!

2019年3月16日

平塚市国民健康保険事業は都道府県が保険者になったことによって、平塚市の国保税を県が示した標準税率にあわせるとして、毎年値上されています。今回も新年度からの値上げのための条例改正(案)が議会に出されていました。環境厚生常任委員会でも質問しましたが、国保加入者の多くは所得が少ない世帯であり、そういう人たちに、あまりにも異常な値上げです。しかも、議会で決まれば強制的に徴収し、払わなければ差し押さえも厭わないため、今でさえ、支払いに苦しんでいる世帯が多いのに、更なる値上げなど到底認めることができません。

昨日の3月議会最終日に、この条例改正に反対し、討論を行いました。

討論

日本共産党平塚市議会議員団を代表し、通告に従い議案第16号「平塚市国民健康保険税条例の一部を改正する条例」、および、議案第28号 「平成31年度平塚市国民健康保険事業特別会計予算」に、反対の立場から討論を行います。

 まず初めに条例改正について述べて行きます。

この条例改正は、平成30年度からの国民健康保険制度改革によって、都道府県ごとに将来的な税負担を平準化していくための税率改正であるとしています。

これまで国民健康保険税は、市町村ごとに被保険者の年齢構成や所得、収納率、医療給付費などを勘案し、被保険者の負担があまり大きくならないように、一般会計から法定外繰入を行って税率を決定してきました。

ところが、都道府県化によって、法定外繰入をなくし、3年かけて県が示す標準保険税率に合わせて行くというのですから、当然保険税の大幅な増となることは明白です。

全国の自治体から強い抗議の声が上がり、国は、国保の構造的赤字解消に向け、低所得者等に応じた公費1,700億円、保険者努力支援に1,700億円の計3,400億円を投入しました。厚労省は当初、この3400億円投入によって1人1万円の財政効果があると強調したのです。

しかし、平塚市はそれを低所得者への軽減に使うどころか、これまで市が補てんしてきた法定外繰入を0にするとして、市の会計にそっくり移してしまったのです。2017年度には14億9660万円繰り入れていた法定外繰入を2018年度には約10億円削減し、2019年度にはさらに2億2千万円削減するというのです。環境厚生常任委員会で、「今回の値上げによって、いくらの増を見込んでいるのか」と聞いたところ、2億600万円ということでした。

つまり、平成31年度のその他の一般会計繰入額2億2000万円を減額しなければ、値上げをしなくて済んだのです。

平塚市の国保加入世帯の実態を伺ったところ、所得階層では所得ゼロ~200万円以下の世帯が全体の76.7%であること、また、7割・5割・2割軽減を受けている世帯は、全体の約半数あり、7割軽減が全体の4分の1であることがわかりました。

平塚市の国保加入世帯は、こうした低所得世帯が大半であるにもかかわらず、赤字補てん分を一切しないというのが平塚市の対応です。

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(上の表をご参照下さい。平塚市の国保担当課から条例改正の度に提示される「モデルケース」の2パターンの4年間の推移です。H29年度から連続の値上げです!)

そのために、今回の条例改正で、2割軽減すれすれの所得250万円の40代夫婦と子供2人の4人世帯では、この3年間で5万7100円も値上げされ、保険税は42万5100円にもなります。

また、所得が少なく2割軽減となっている所得200万円の40代夫婦と子供2人の世帯でさえ、3年間で4万4500円も値上げされ、33万3100円の保険税になるのです。執行する市は、所得の2割近くも強制的にとられる異常な国保税に対し、早急に支援策を講ずるべきではないでしょうか。

私達共産党市議団は、これまでも、一般会計繰入をして、異常に高い国保税を抑えるよう求めてきましたが、平塚市は「国保加入者の保険料を下げるために、住民の税金を使うのはいかがなものか」、「税の公平性からして難しい」などとしてきました。税の公平性とはいったい何でしょうか。税は地域社会にとって何が必要か、その公共性の度合いを含め議会で話し合って決めるもので、ほとんどの税金が、市民全員を対象としては使われていません。

協会けんぽ、共済組合健保などに入っている人には保険料の半分を事業主が負担することになっていますが、共済健保の事業主負担は税金です。

そして、そういう人たちも一旦退職すれば加入するのは国民健康保険です。病気になっても、失業しても支えてくれるのが国保であり、国民皆保険制度において、国保は「一部の人の保険」ではありません。

安倍政権が2012年から進めた「社会保障制度改革推進法」によって、社会保障であるべき国民皆保険が相互扶助の制度にされてしまっています。後期高齢者医療制度によって75歳以上の人を別枠にし、さらに国保に入っている小規模事業主に対して、社保に切り替えるよう誘導し、国保加入世帯を病人や高齢者や障がい者、低所得者に特化してきたのは国であります。

そのために国保加入世帯の構成が様変わりして、「社会保障及び国民保健の向上」という国民健康保険法の目的さえも果たせなくなっているのです。

 重い負担に苦しむ市民を守るのが行政の役割であり、国民皆保険制度のもとでこうした不公平が生じていることを放置していいのでしょうか。

国に、早急に国保運営の安定のために予算を投入することを求めるとともに、平塚市は国の動向を待つことなく、一般会計からの繰入をしっかり行い、高すぎる国保税を引き下げること。子育て世帯が苦しむ「高すぎる均等割」に支援を講じることを強く求め、議案第16号「平塚市国民健康保険税条例の一部を改正する条例」の条例改正に反対し、この条例改正によって値上げをした「議案第28号 平成31年度平塚市国民健康保険事業特別会計予算」にも反対することを述べ、討論と致します。

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市役所ホールに2月末に飾られていた花。


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